題名のない文章たち

日記のような、そうでないような、そんなただの文章のあつまり

とあるイベントに参加した話

とあるバンドの曲だけをDJの人たちが流し、お客みんなで聞いて楽しむというイベントに参加してみた。(DJイベントでいいのかな?)

もちろん、LIVEではない。
バンド本人は来ないし、生演奏でもない。
簡単に言えば大音量で大人数でCDを聞いているようなものである。

不思議な空間だった。
暗い会場、回るミラーボール、スクリーンにはLIVE映像、流れる音楽、足の下から響くベースの音。
前の方にはLIVEのように、手を挙げ、飛び跳ねて盛り上がる人たち。後ろの方にはお酒を片手に静かに体でリズムを刻んでいる人たち。
歌を口ずさむ人、おしゃべりする人、好きという気持ちを余すこと無く表現する人。

ここにいる人たちは、ほとんどが他人のはずなのに、普段何気なく暮らしていたら出会うはずもない人たちなのに、なぜだかそこにいるのが心地よくてみんな昔から知ってる人のように感じる。

体でリズム刻んでみた。心も弾むようだった。
前でたくさんの人と一緒に手を上げてみた。この一体感はなんだろう。
後ろから会場全体を眺めてみた。夜の中でゆらゆら揺れる水面のように見えた。

同じバンドが好きということだけで繋がる人たち。その中に私もいた。
私の好きな音楽を、好きになっている人はこんなにもたくさんいる。

なんだか、ひとりぼっちじゃないような気がした。